胡弓(こきゅう)
3本の弦がある、三味線を小型にしたような形の和楽器です。
素材も三味線とほぼ一緒で、棹に紅木・紫檀、普及品には花梨が使われています。
胴は花梨、皮は猫か犬、弦は絹製です。
三味線と違うのは駒。弓には紫檀・花梨・竹などを用い、漆が塗られていることもあります。
弓の棹は、毛側に向けて中央部がやや湾曲していて、ヴァイオリンと同様、弓に弾力をもたせています。
毛は円筒状に束ねられた馬尾毛です。取り外し可能です。
手元側が紐でつけられ、弓の棹に取り受けられた金属の小さな輪に結わえて留めます。
細部の仕様は流派・個人によって様々です。
音楽は、胡弓樂、地歌、義太夫節などで用いられます。
日本の民謡では北陸から関西にかけて使用されています。
各地の民俗芸能や一部の宗教でも演奏されています。
◎歴史
胡弓は江戸時代の文献に初めて登場しています。三味線に比べるとやや遅い登場ですが、起源は諸説あって明らかにはなっていません。
当初は門付の民族音楽に用いられていました。
地歌・箏曲の成立とほぼ同時に当道座の盲人音楽家たちによって胡弓が演奏されていました。また、初期の胡弓は胴が丸形で、三味線とは異なった形でしたが、江戸時代中期までにほぼ三味線と同形となり、形が定まりました。
三味線の音楽である地歌、箏の音楽である箏曲と同時に発展し、これらを総称して「三曲」といいます。
また地歌・箏曲に加わり他の楽器と合奏することも多くなり、特に三曲すべてを合わせる三曲合奏の形式が出来上がりました。江戸時代を通じて三曲合奏が盛んになり、今に至るまで伝承されてきました。
